思/外
作・中野浩作 / 読み:おもいのほか
作品紹介
スーパーで働き、同じような毎日を繰り返すひとりの人間。
押し寄せる言葉や他人の気配に疲れた彼女は、自分自身を「思い」と「外」に切り分ける。
汚れたものを外へ追い出し、純粋な自分だけを思いの中に残そうとするヘン、ムー、ノギ。対して、切り捨てられたニゴリとヨゴレは、閉ざされた内側へ戻ろうとする。
春、夏、秋。記憶や憧れ、思い描いた風景を辿るたび、「純粋な自分」と信じていたものは少しずつ形を変えていく。
自分とは何によって作られ、どこまでが本当に「私」なのかをめぐる物語。
舞台・世界観
舞台上には、一人の人間から分かれた五つの存在――ヘン、ムー、ノギ、ニゴリ、ヨゴレと、時間あるいは妄想を担う「四季」がいる。
空間は「思い」と「外」に二分され、その境界には一枚のドアが置かれる。思いの中には、ぬいぐるみから取り出された「綿」が広げられ、外へ追い出された汚れ、濁った目玉、閉ざされた視界が、心理状態そのものとして舞台上に実体化していく。
春の記憶、作り上げられた夏の思い出、終点のない秋の列車、そしてスーパーの日常。現実・記憶・妄想が連続的に姿を変えながら、一つの身体と一つの「私」へと重なっていく世界。

