SINKOレトロ

作・中野浩作

初演:2013.09.26掲載戯曲:62ページ

作品紹介

「嘘つきになれば、きっとうまく生きられる」――そう考えた正直者のキリハラは、不思議なマシュマロを口にし、本当に嘘つきになってしまう。

失った“本当の自分”を取り戻そうと辿り着いたのは、月面旅行会社「フルムーン」。そこでは、自分が誰なのかを忘れた者たちがマシュマロを食べ、どこにあるとも知れないロケットが月へ飛ぶ日を待っていた。

嘘と本当、欲望と記憶、進化と退化。失われていく「自分」をめぐって、いくつもの思惑が錯綜する群像劇。

舞台・世界観

舞台の中心となるのは、窓もなく、外へ続く扉が一つだけある「月面旅行会社フルムーン」。そこでは、人間の記憶・感情・性格・名前などが「マシュマロ」として取り出され、食べたり、交換したり、ロケットの燃料にしたりすることができる。

舞台上には、皆が存在を信じている月行きのロケットがある。しかし、それが本当に存在するのか、「外」という場所そのものがあるのかさえ定かではない。言葉、記憶、人格、欲望が互いに混ざり合いながら、「自分」とは何によって形づくられているのかが揺らぎ続ける世界。

SINKOレトロ 戯曲1ページ目

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