根 / 存在核
身体、呼吸、知覚、自分の状態。演技を始める前に、自分がどのように「在る」のかを支える基盤。
演技が、内側の条件から他者との関係を通り、行為となり、観客に見える表現へ至るまでを捉えるモデル。
俳優は、目に見えないものを、どうすれば「存在」にできるのか。
Expression Tree Model(ETM)は、中野浩作が演技指導と自身の実践を通して整理している演技モデルです。演技を、感情や表情など完成した結果からではなく、俳優の状態、他者との関係、行為、そして観客に現れる表現までの連続として考えます。
身体、呼吸、知覚、自分の状態。演技を始める前に、自分がどのように「在る」のかを支える基盤。
相手、空間、音、観客。外部から受け取り、それによって変化し、再び外へ返すための関係と回路。
何をするか。台詞や動きを心情の説明ではなく、相手に作用する具体的な行為として扱う。
どう現れるか。声、間、動き、表情など、観客が実際に見ることのできる表現として外側へ現れる部分。
ETMは「正解の演技」を提示することを目的にした理論ではありません。演技の中で同時に起きている身体、知覚、他者との関係、台本上の役割、具体的な行為、観客に見える表現を、一つの構造として見渡すための地図です。根で自分自身に立ち、幹で外部へひらき、枝で人物として働きかける。その過程を経たものが、観客の前では声や身体などの表現として現れます。
舞台上では、何もないところから表現を作るのではなく、自分ではない何かに触れ、それによって身体や呼吸や思考が変わり、その変化を言葉や身体として返します。返されたものが相手や空間を変え、その変化を再び受け取る。この循環を、Hananokoでは実際のワークやテキストを通して検証しています。
序文から、根・幹・枝へ。現在公開されている理論本文では、俳優自身の状態、他者とのつながり、台本を演技行為へ変換する過程を段階的に扱っています。
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