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夢憐憫

あの頃 焦がれた夢を見る

夢、
という言葉を買いました。

あの頃、
それこそ、
売るほど、
あったのに、
いつからか、
ジブンノユメ、見れなくなりました。
でも、
ジブンノユメ、
見ること
とても、
苦しいこと、
だったから、
別にいいかなって
思って、ました。
ジブンノユメ、
なくなって、
もう、
何にもねえかなって、
それでもいいかなって、
思って、ました、
気の迷いで、

バナー広告に出てきた、
夢という言葉を買うことしました。
せっかくなので、
若いころと似たようなもの、探しました。
熱くて、赤くて輝かしいもの。
キラキラ光るもの。
似たようなものはいくつも売っているようで、

どれも、これも、
派手で、
まぶしくて、
無駄に安っぽい
でも、それでも、
欲しいなって思いました。
おススメ表示の夢見ていたら、
欲しいなって思っちゃったんです。
欲しいんです。
欲しいから、
手に入れました。
支払いは、人生でした。
買い切りではなくサブスクでした。
人生、支払い続ける限り、
夢がいつでも手元にあります。
契約の夢が輝きます。
美しく輝きます。
しかも、
毎月毎月、新しいものやってきます。
いいでしょう?
これいいでしょう?
すごい、いいでしょう?

しかも、この夢、何にも言いません。
頑張れも、
負けるなも、
諦めるなも、
絶対叶うも、
何も言いません。

ジブンノユメ
いつもうるさくて
ジブンノユメ、
いつも煩わしくて
ジブンノユメを
いつも考えていた

◆人生支払い夢を買う。
この夢、何を言うこともなく、
ただただ、夢という言葉のままで、
心惑わすこともなく、
頭震わすこともない、
カッター取り出すこともなければ、
薬をつまみにブラックニッカをがぶ飲みすることもなし
大変結構、健康で、
健全、健常、けんけんぱ、
踏んだり蹴ったりすさんだ日々を、
過ごすことない安全な、
ただの夢という言葉に、
果たして、意味はあるのか。

あの頃、焦がれた夢を見る。
似たような夢はどこにでもあって、
似たようなもので。
けれど、てめえで見た夢はてめえだけのもんで。
人生を担保にしても構わねえと思えるぐらいには熱い夢だった。
今や、人生を定期払いにして手に入れる借り物の夢がある。その熱はひと月で尽きる。
借り物の夢があたかもガキの頃からの夢であるかのようにふるまうことに、
腹が立つ。

あの頃、焦がれた夢を見る。
胸が焼けた気になるのは、
アラフォーの体が油モノを受け付けなくなったからか、
それともあの頃の憐憫ゆえか、
否、自分の夢が、いつもうるせえからだ。

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